#63 「血のつながり」に、どんな役割がありますか?

提供精子で子どもを授かるかどうか。その入り口で「血がつながっていないのに、本当の親子になれるのだろうか」と多くのご夫婦が立ち止まります。

この不安は、昔から変わらない「真実」のように感じられます。 でも、本当にそうでしょうか? 今日は「血のつながりを大切にする」という感覚について振り返りたいと思います。
寺山 竜生 2026.06.24
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もともと日本は、血縁だけを重んじる社会ではありませんでした。
中世(鎌倉・室町)から江戸時代において、武士でも商人でも農家でも、養子を迎えることは珍しくありませんでした。「血がつながっているか」より、「家(いえ)を続けていけるか」が大切にされてきました。

この時代の「家」とは、財産や立場、先祖のお墓を引き継ぐ仕組みでした。だから親子も、「かわいい」という感情(愛情)より「家を継げるか」という役割が優先された。親子を結んでいたのは血ではなく、「家を続ける」という目的だったのです。

ところが明治時代、これが法律で変わります。
民法は家長に強い権限を与え、正妻の子を優先しました。血縁は慣習を超え、国の正式なルールへと格上げされたのです。「血のつながった親子こそが基本」という意識は、ここで深く刻まれました。

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