#38 妻のドナーに対する考え方
今日は、非配偶者間による精子提供(AID)での治療を検討中の奥様に向けて、女性が治療を考える際に悩むであろう問題のひとつについてお話ししたいと思います。AIDに進むことを決めたきっかけから、ドナーに対する思いの変化まで、私の妻の経験を通してお伝えします。
寺山 竜生
2025.06.11
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まず、私たち夫婦がAID治療を考え始めたきっかけは、実際に非配偶者間で生まれたお子さんを育てているご家族にお会いしたことでした。それまでは、夫婦でインターネットで情報を調べたり、本を読んだりしていましたが、「提供精子で授かった子どもがいる家族」というものを頭の中で想像するだけでは、どこか現実味に欠けていました。
「どんな家族になるんだろう?」「父親は子どもとどう接するんだろう?」「父と子が全然似ていなかったら、すぐに気づかれるんだろうか……」そんなモヤモヤとした不安が心の中にありました。